茜シリーズの続編です。 この一戦にすべてがかかっていた。勝てば同好会存続、負ければ同好会は解散。
「まだ、チャンスはある」
茜はグッと気を引き締めた。
「生徒会の威厳にかけて、あなたを倒します」
恵理香が闘技場に現れた。
この戦い、恵理香にとっては生徒会の威厳と今後の学園でのTファイトのための戦い。茜にとっては同好会の存続と、一度敗北している自身のプライドのための戦いである。
「もう、負けられないよね」
そう自分に言い聞かせ、茜も舞台へと降り立った。
「数日ぶりですね。あの時よりは強くなっているんでしょうか?」
「もちろん。さぁ、始めましょ」
「気が早いんですね」
お互いに構え、戦いの火ぶたが切って落とされた。
「 「 マジックハンド召喚 」 」
二人の声が被る。
お互いに同じメインスキルを発動させた。茜のマジックハンドは3つ。恵理香のマジックハンドは4つ、空中に白く細い手がウネウネと浮いている。
「っ!?3つ!?」
茜は驚いた。というのも、茜が召喚できるマジックハンドの最大数は2つまでが限界なのだ。それが3つになっている。
「ふふふ、驚いた?これが私のサブスキルの能力。熟練度アップ空間です。このサブスキルは、マジックハンドの数、触手の本数など、物量に依存するメインスキルの熟練度を一つアップする能力です」
「なるほど、つまり最大スピードアップスキルみたいに、能力に依存するメインスキルに対して一つ上を取れるわけか」
「そういう事です。意外と飲みこみが早いですね。残念ながら今はお互いに同じメインスキルなので私のサブスキルはあまり意味がありませんが……それでもマジックハンドの数では私が有利です」
茜のマジックハンドが3つ、恵理香のマジックハンドが4つ……この1つの差を、茜がどうサブスキルで埋めてくるかが勝敗の鍵になるのだ。
「さぁ、行きますよ!茜さん!!」
ヒュンッ、と恵理香が4つのマジックハンドを茜に飛ばしてきた。4つのマジックハンドで両手両足を捕まえて、残自分の2本の手で茜を一気に責めたてる戦法だ。
しかし茜も黙ってやられる訳ではない。この数日間の特訓で、反応のスピードが格段に上がっていた。恵理香のマジックハンドを自分のマジックハンドで撃ち落とし、恵理香に飛びかかろうとする。しかし……
「甘いです!」
あと寸でのところで、茜は足首を恵理香のマジックハンドに捕まれてしまい、前のめりに転んでしまった。必死で起き上がろうとするが恵理香が飛び乗られ、組み伏せられてしまった。
「さぁ、上を取りましたよ」
マウントを取った不敵に恵理香が微笑む。
「くっ!」
このままでは前回の二の舞になってしまうと、茜は体をひねって脱出を試みる。しかし、恵理香のマジックハンドに両手両足を掴まれ、思うように体を動かすことが出来ない。
「また、ゆっくりゆっくりと感じさせます」
メガネの奥の恵理香の目が鋭くなった。
恵理香はマジックハンドで茜を押さえつけると、胸の中心から指先で撫でまわした。
「くっ、んっ……!」
「ほら、指先で弄ってあげますよ」
「ひゃあんんっ」
恵理香の指が触手のようにうねうねと胸の周りを愛撫した。
「くっ、快感に対するトレーニングは積んできたけど……早く打開策を見つけないと……」
必死で耐えている茜だが、やはり時間の経過とともにその反応は変わってきた。
「はぁ、はぁ、き……来ちゃう……ダメぇ……」
「もう時間の問題ね。このまま絶頂させて勝たせてもらいます」
そう言うと、恵理香はマジックハンドにより大の字に押さえつけられている茜の足の間に座り直し、茜の股間に指を伸ばした。
「やっ、そこはッ……!」
「ふふ、もうこんなにぐしょぐしょじゃないですか。驚きですよ」
胸の愛撫によるものか、茜の秘部からは愛液が溢れだし、床まで滴っていた。
「本当は、もうすぐ開かれる全国Tファイトグランプリの公式戦に向けて勝ち点の高いくすぐりで失神KOを狙いたい所ですが、今回は絶頂による確実な勝利をモノにするとしましょう」
「た、耐えなきゃ……耐えなきゃ……」
恵理香の指は茜の秘部へと侵入し、クチュクチュと音を立てながら着実に快感を蓄積させていった。
「はぁぁあんんッ!」
「空いている方の指はここを直接弄ってあげます」
もう片方の手が茜のクリトリスに触れた瞬間、茜の体がのけぞった。
「ひぃやぁぁあんっ!!!い、イクぅぅ、頭が真っ白にぃぃ……」
「これでお終いです!マジックハンドよ、もう彼女の腕を押さえる必要はありません。腕を押さえていたマジックハンドはそのまま彼女の胸を責めてください。足を押さえているマジックハンドは引き続き足を開かせた状態で拘束!」
「ぁぁぁああああ!!いっ、いやっ!!これ以上やられたらっ!本当にッ……」
「気持ち良すぎてもうマジックハンドを召喚して対抗する気力もありませんよね?これでTファイト同好会は終わりです」
「……く……マジックハンド……召喚……」
茜は最後の力を振り絞って恵理香の背後に三つのマジックハンドを召喚させた。そしてそれは……
「っ!?きゃっ!!目の前がっ!!」
恵理香の背後から目を覆い、目隠しをすると同時に仰向けに引き倒した。
「くっ、時間稼ぎのつもりですか……」
もはや茜の気力は限界なため、恵理香の目を覆っているマジックハンドは簡単に引きはがされてしまった。
恵理香が素早く起き上がると目の前にはふらふらと闘技場の隅に逃げようとしている茜の後姿があった。
「あははっ、最後の抵抗のつもりでしたか?行きなさいマジックハンド!」
4つのマジックハンドは歩くのもやっとの茜に簡単に追いつき、手首と足首を掴むと、そのままうつぶせで倒してしまった。そしてまたもや茜は大の字で拘束された。
「ふふふ、さぁ、今度こそお終いです。大人しくイッてくださいね」
恵理香は、うつぶせで拘束されている茜にゆっくりと歩み寄ろうとした瞬間――
「かかったわねっ!」
突如、恵理香の背後から茜の声が聞こえた。
「えっ!?」
振り返ろうとした恵理香だが、その前に背後から羽交い絞めにされてしまった。
「どういうことっ!」
恵理香の目の前には”ちゃんと”マジックハンドによって捕えられている茜の姿がある。しかし背後から聞こえたその声も、茜の声そのものだった。
「あなたが私のマジックハンドによって視界を奪われている間、私はサブスキルを使った。それは……『メインスキルチェンジ』。このサブスキルは、私の持っているメインスキルの設定をバトル中に入れ替えることが出来る。この数日間、必死に模擬戦して溜めたTマネーで買ったものよ!」
「なっ……メインスキルチェンジ……そんなサブスキルがっ!?」
「そしてこのメインスキルこそ、あなたに勝つ最後の砦……そう、『分身』よ。この分身は、その名の通り自分の分身を作る。でもその分身には実体がある。だからあなたのマジックハンドにも押さえられて、あなたの目をごまかすことが出来たの」
「そ、そんな……実体を持った分身……」
「そしてこの場は、あなたが最初に発動したサブスキル、熟練度アップ空間が発動している。つまり――私の分身は、もう一体現れる!」
「きゃあっ!」
恵理香は2人の茜によって手をバンザイの状態で仰向けに倒さた。茜の分身は恵理香の両手の上に乗り、本体は腰の上にまたがった。
「これでもう逃げられないわね。さっきのお返しをさせてもらうわよ」
「くっ、マジックハンドを呼び戻さな――ッ」
「させないわっ!」
「ひッ!?あはははははははははははははははっ!!」
二人の茜は無防備な恵理香の腋とお腹をこちょこちょとくすぐりだした。
「あなたにマジックハンドを呼び戻す命令なんてさせてあげない。あなたはこのまま笑い続ければいいのよ。こちょこちょこちょこちょ」
「あ~っはっはっはっははははははははははは!!やめっ、やめてっ!1対2なんてっ、卑怯ですっはははははははははははははははははははははは!!」
「散々弄繰り回してくれたわね?」
「そっ、そんなぁああっはははははははははっ!!途中まで勝ってたのにぃぃっははははははははははははははははははは!!!」
恵理香の頭上で両手の上にまたがっている茜の分身は無防備な腋を指先でこちょこちょとくすぐり回し、腰の上に乗っている本体の茜は無防備な腹をぐにぐにと揉んだり、さわさわとくすぐる。
「た、耐えられないぃぃぃっはははははははははははは!!あーっはっはっはっはっはっはっはははははははははは!!」
そして、とてつもないくすぐったさに耐えきれなくなったため、恵理香は気力を維持できなくなり、恵理香のマジックハンドは消えた。自由になったもう一人の茜の分身は恵理香の足の上にまたがった。
そして2人目の分身は恵理香の足の裏をかりかりとくすぐり始めた。腋、お腹、足の裏と、くすぐったいところを的確にくすぐる三人の茜。
「まっ、まさかぁっはっははははははははははははははは!!1対3なんてぇぇぇええ、る、ルール違反じゃないですかぁあっはははははははは!!!ひぃぃっひひひひひひひひひ!!」
「ルール違反じゃないわ。これはちゃんとしたスキルだし、熟練度アップ空間は恵理香先輩が発動したスキルでしょ?」
「ぐっ、ぐやじぃぃいっははははははははははは!!あーっはっはははははははははははははははははははははっ!!もぉ、もうっっはははははは、無理ぃぃぃっひひひひひひひひひひっ!!きゃははははははははははは……はは……」
くすぐったさに耐えきれなくなった恵理香は、ついに失神した。これにより、茜の勝利が決定した。
「ふぅ……、なんとかリベンジ成功っと」
これにより、同好会の存続を賭けた戦いは、生徒会を倒した湶率いるTファイト同好会が勝利した。
決着がついた事により、全員がTワールドから現実へと戻ってくると、一足先に終わった姫璃と、姫璃に付き添った湶が待っていた。そして負けたことにより強制的に引き戻された恵理香がうずくまっていた。
「勝負、ついたみたいね」
時間は夕暮れ、生徒会室の窓から差し込むオレンジ色の光が、全員を照らしている。
「はい!茜が勝ちました!」
雪乃が喜々として湶に報告する。
「はぁ……はぁ……湶さんのくれた『分身』のおかげです」
「お疲れ様。あのスキルはマジックハンドや触手よりも熟練度アップが大変な代わりに、個人戦でも団体戦でもすごく使えるスキルだから大事に育ててあげるといいよ。……さて」
湶が恵理香達の方を見る。
「約束は約束、守ってもらいますよ?恵理香先輩」
「分かっています。あなた達のTファイト同好会の存続を認めます。早乙女さん、引出しからサークル許可証を持って来てください」
麻衣が渋々と生徒会長の印が押されているサークル許可証を引出しから取出し、湶にぶっきら棒に突き出した。麻衣の目線は雪乃に向いている。
「次は、倒しますから」
「ふふん、いつでも相手になるよ」
「じゃあ、一旦教室に戻ろうか」
ようやく正式に認められたTファイト同好会の面々は、湶の教室、3-Bへと戻っていった。
~コメントへの返信~
>姉さん、動けないちっちゃい子の服を引きちぎったり弄繰り回したりして喜ぶなんて。
イエス! ドエス!
ドエス!イエス! コメントありがとうございます。
やっぱり、動けない人を弄繰り回すのはロマンですよねwサイズに限らず^p^
生者の書!って事で、げらく、フィールドに復活しました。
またよろしくお願いします。